第112回労働法研究会
『改正労働法と実務上の留意点』


改正労働法のポイントと、改正に伴う労働協約・就業規則・諸規程等の整備や、実務上留意すべき点を法的側面から専門家が解説


講師:弁護士 中山 慈夫氏


 

去る11月11日に、第112回労働法研究会を開催しました。今回の研究会は弁護士の中山慈夫氏を招き、「改正労働法と実務上の留意点」を主題とし、改正労働法のポイントと、改正に伴う実務上留意すべき点等について解説をいただきました。 以下に、講義でご説明いただいた内容をまとめましたのでご参照ください。

T.有期労働契約

【契約期間上限の延長】
有期労働契約の期間上限を

  1. 原則 3年に延長し(現行は1年)、
  2. 高度の専門的な知識等を有する者や、満60歳以上の者については 5年とする。〔第14条第1項〕

有期契約労働者は一定の場合を除き、当該労働契約の期間の初日から 1年を経過した日以後においては、いつでも退職することができる。〔附則第137条〕

【有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する基準】
厚生労働大臣が「有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する基準」を定め、当該基準に基づき、労働基準監督署が必要な助言・指導を行なう。〔第14条第2項、第3項〕

U.解雇

【解雇ルール】
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする。」〔第18条の2〕

【就業規則】
就業規則の必要的記載事項に「解雇の事由」を含める。〔第89条第3号〕

【労働条件の明示】
労働契約の締結に際し、使用者が書面の交付により明示すべき労働条件として、「退職に関する事項」に「解雇の事由」が含まれることを明確化する。〔省令改正予定事項〕

【解雇理由の明示】
解雇を予告された労働者は、解雇前においても、使用者に対し、当該解雇の理由について証明書を請求することができる。〔第22条第2項〕

V.裁量労働制

【専門業務型裁量労働制】
労使協定により、健康・福祉確保措置及び苦情処理措置の導入を要することとする。〔第38条の3〕

【企画業務型裁量労働制】
○ 事業場要件の廃止〔第38条の4〕
企画業務型裁量労働制の対象事業場について、本社等に限定しないこととすること。

○導入・運用に関する手続きの緩和〔第38条の4〕

  1. 労使委員会の決議について、委員の5分の4以上の多数によるものとすること。(現行は全員合意)
  2. 労使委員会の労働者代表委員について、改めて事業場の労働者の信任を得ることとする要件の廃止。
  3. 労使委員会の設置届けの廃止。
  4. 使用者の行政官庁への定期報告事項は、労働時間の状況に応じた健康福祉・確保措置の実施状況に限ることとすること。
  5. 決議の有効期間の制限の緩和。〔省令改正予定事項〕